誰得奇術研究3
書誌情報
2023年5月10日刊行
編集:和泉圭佑
刊行人:株式会社プレイフェア
印刷所:プリントパック
表紙:アルマンド・ルセロ(Armando Lucero)
芸術家アルマンド・ルセロの秘密
20年越しに逢えたマジシャンの真髄へと迫る
アルマンド・ルセロの生い立ち
ルセロという芸術家の真髄とは
ルセロ・ファンなら必読です。私にとっては、とても興味深いインタビュー記事でした。
邦題とカタカナ英語、生まれた経緯を辿る
「水と油」と「オイル&ウォーター」どっちがお好き?
昔は作品名ではなく長い「説明文」だった
邦題と和名が生まれたその背景
国際化していく専門用語たち
現代訳ホーカス・ポーカス・ジュニア②
テーブル下に持っている大きなボールをカップから出現させる法
肝心なところが全く書かれておらず、現在だったら間違いなく詐欺と怒られるであろう解説とは言えない解説。たしかに昔の解説本はこんな感じが多いような気はするのですが、当時はこれで許されたのだろうか…。
ボールを使った他の妙技
「スリー・ボール・トリック」の原点に近いと思われる手順と原理です。こんなに古くからあるんですねぇ…。
別法
フェイク・パスの解説。
別法
こちらは前述のフェイク・パスを使った「コインズ・アクロス」の原点に近いと思われるハンドリングです。
手に持った石を消したように見せる法
これはもうラッピングの原点と言ってよいでしょう。
別法
ここではフェイク・パスで既に手の中に無い石を、もう一度反対の手にパスしたように見せて消す手法(現代、何か名称があったような気がするのですが思い出せません。)が既に書かれています。比較的最近の手法だと思っていたので驚きでした。
カードを消して、クルミの中から出す法
「カード・イン・ナッツ」の原点。もうひとつのイタズラ案は当時といえでも観客に怒られるのでは…。
ナイフを食べたように見せる法
これもラッピングを使った方法です。現象自体も昔の初心者向けの本によく書かれていました。
怠け者に嫌がらせをする法
これはマジックというか、イタズラというか、バーベット的なネタです。
スズ製の長いプリン(詳細不明。折りたためる如雨露状の物。)を飲み込んだように見せる法
使っている道具もよく分かりませんし現象もよく分かりません。謎です。
鼻を半分切ったように見せる法
紐が鼻を通っているように見せる法
『妖術の開示』でも似たようなトリックが解説されていました。
重ねたカウンター(コイン)をテーブルに貫通させる法
チューブのようなケースから沢山のコインを出し、その中から6枚を示して一度ケースに戻し、ケースの口を下にしてテーブルに置く。片手をテーブルの下に回しておまじないを唱えると6枚のコインがテーブルの下に貫通して出てくる。ケースを持ち上げると中からさっきまで無かったサイコロが出てくる。
スタック・コインの原点が既にこの時点で存在していたことを知り、またまた驚かされました。凄い本ですね。