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The Magic No.03(ザ・マジック)

2022-09-26The Magic(デアゴスティーニ),和書,国内マジック道具,国内映像,技法,映像,,道具カード,クロースアップ,コイン,テンヨー,日用品・その他,歴史

書誌情報

発行 デアゴスティーニ・ジャパン
監修 マジシャン・メイガス
発行日 2017/11/21
定価 1,657円+税

【セット内容】
冊子(オールカラー12ページ)
DVD(約42分)
クインテットボックスセット
パケットカード(1枚)

※この記事は2017年に実施された広島県のテスト販売時に書かれたものです。詳しくは記事の最後に追記として書いていますが、全国販売版とは内容が違う場合がありますのでご注意ください。

基本テクニック講座
カードの扱い方③
カット
リボン・スプレッド
スイング・カット

クインテットボックス

コップの中に落ちたはずのサイン付きコインが跡形もなく消え、マトリョーシカのように5重に重なったボックスの中に瞬間移動します。

1976年にテンヨーから発売された商品(表紙写真の品)で現在は製造中止となっています。考案者は吉沢卓弥氏。当時のテンヨー商品と比べて色の組み合わせは地味な印象ですが、長きに渡り再販を待ち望んでいた人には嬉しい逸品です。これは入れ子構造にすることで瞬間移動の不可能性を高めた通称ネストボックスと呼ばれる道具で、箱以外にも封筒や小銭入れなどがありますが基本的な原理は大体同じです。このクインテットボックスも他のネストボックス系商品とほぼ同様の原理なのですが、秘密の動作がスムーズにおこなえるよう特別な工夫がなされており、そのおかげでまったく怪しさを感じさせることなく、あり得ない速度で現象を起こすことに成功しています。手順構成もコインを消す前にボックスを取り出すという不可能性の高い方法を採用しており、とても完成度の高い傑作マジックです。

Do as I do(ドゥー・アズ・アイ・ドゥー)

演者と観客でそれぞれ一組のデックを持ち、同じように操作して選んだカードが不思議にも一致します。

さらっと一回で当てるのではなく一度間違えるのがポイントです。心を読み取るという演出に説得力が出ますし、手順上の利点もあります。また冊子解説でいうと⑨のところ、あるセリフを言う時のタイミングはカード当ての極意とも言うべき重要なコツだと思います。

ルーン
ルーン
これによって不思議さは大きく変わりますので、今まで知らなかった人は他のカード当て作品でも是非実践しましょう。

手を離しても落ちないスプーン

スプーンを握った手を開いてみせますがスプーンは落ちません。単純な種明かしをして観客の笑いを誘ったあと、もう一度やってみせますが今度はなぜ落ちないのか観客にはわかりません。

まだDVDが無かった時代、子供の頃にマジックを本で学んだ世代にはとても懐かしい作品です。私が覚えた本では鉛筆を使っていました。演じる度に種明かしをして、次に演じる時はその種明かしを上回る不思議さで演じるというキャンセルアウトを繰り返すスタイルはこの作品で覚えました。

ルーン
ルーン
本によっては五段構成くらいまでありましたが(笑)やり過ぎてくどくなってもいけませんし、ここでの二段あるいは三段構成くらいが実演としては丁度良いなと思いました。

HISTORY OF MAGIC<奇術師たちの受難と様々な原始魔術>
中世ヨーロッパでおこなわれていた天才動物や人間ポンプなどの一風変わった芸と、それに対して流行した魔女狩り。そして歴史的な書物『妖術の開示(The Discoverie of Witchcraft)』出版までの歴史が詳しく解説されています。

WELCOME TO MAGIC WORLD
Magicians File.004 たかお晃市
リアルタイムエフェクトシステム・サウンドスーツの紹介。

付属マジックアイテム
クインテットボックスセット:ケース5種類、特殊ローダー(ホルダー)、金属ディスク。
パケットカード:スペシャルマジックのドリーム・オブ・エーセス用。

【追記】(2019年3月26日)
写真は1976年にテンヨーから発売されたクインテットボックスです。見た目にも鮮やかですが、ご覧の通り配色パターンが違います。緑→青→黄→赤→ピンク→からまた緑と循環しているようです。私は2つ購入していますが、どちらもメイガスさんが使っている配色パターン(青からスタート)とは違いますね。当時のテンヨー商品のパッケージは透明だったので自分の好きな配色パターンを選んで購入することが可能でした。なぜ配色パターンを統一しないのか?については、同じ配色パターンのセットばかりだと小さいボックスになればなるほど素材が余ってしまうのでコスト削減の意味もあってローテーションさせたのかなぁ?と勝手な推測をしております。

そしてこちらがデアゴスティーニのクインテットボックス。上がテスト販売版で下が全国販売版です。写真の配色は茶色からスタートですが、運良く緑色からスタートするセットが手に入った人は、ロベール・ウーダンの“オレンジの樹”をオマージュしたメイガスさんの演出で演じることができますので是非。「緑」生い茂る葉の隙間から「オレンジ」の実を取った。その中から「レモン」が出てきて、切ると中から「白」い玉子が。玉子を割ると「茶色」い胡桃が。そして最後に胡桃の中から…。

もうひとつ。テンヨー版とテスト販売版はボックスのサイズが同じで10円玉までしか入らなかったのですが…全国販売版は少し大きめのサイズで作られており500円玉が入るようになりました。(上の写真でも簡単に比較しています。定規に触れていない隙間分だけ上段のボックスが小さいことが分かると思います。)

ルーン
ルーン
つまり第2号で解説されたダブルXで使用した500円玉をそのまま続けて(あるいは組み合わせて)クインテットボックスで演じることも出来るようになったということです。この差は凄く大きい! 色々と工夫の余地がありますし、いちいち他のコインを借り直したりしなくてもよいのは実演する上でとてもありがたいです♪

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