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2020

国内映像,技法,映像クロースアップ,コイン,コインボックス

堀木智也

①V.T.P.

この作品集で多用される技法の解説です。

高い精度で使いこなせればかなり応用範囲の広いコイン技法ですが如何せんムズイ…。練習好きな方にはオススメです。ただし今まで痛くなったことのない手の部位が非常に痛くなるのでくれぐれもほどほどに…。

②Turnover Hide Out Move

テーブルに置いた1枚のカードの裏表を検めながら、その下にコインを隠す技法の解説。

とても理に適った手の動きを分かりやすく解説してくれているので丁寧にトレースさえすれば失敗なく技法を行えるようになっています。本来コインマジックの解説は分かりにくく、コツを掴むだけでもかなり時間がかかるものですが、動作を細かく分解しつつも要点はしっかり押さえており、この分かりやすさは流石です。

③Frottage

「見えないコイン」を取り出して手の平に押し付けるとコインの丸い跡がくっきりと浮かび上がり、さらに指先で擦ると本当に見えるようになります。

見えないコインが見えるようになるという演出はコインマジックでよく使われる演出ですが、手の平にコインの跡をつけて見せる段階を置くことで「見えないけどコインの実体はそこにある」という説得力を従来の手法よりも高めることに成功していると思います。タイトルのフロッタージュとは凹凸のある物質の上に紙などを置いて鉛筆で擦り模様を写し取る美術系の技法や作品を言います。これを使った演出はコインを紙に包んで消してみせる時などの補強(まだそこにある)として使われることが多かったような印象でしたが、出現の前段階としても応用できるというのは目から鱗でした。とても面白い演出だと思います。

④Under load 2.0

4枚のカードをテーブルの上に配ると、その下からコインが1枚ずつ出現します。

マトリックスの導入に使うとカッコイイ手順です。前のバージョン(『Coinlang.(コインラング)』に収録。)との大きな違いは横一列だったカードの配置が四角形の四隅になったことで、これによってビジュアル面だけでなくコイン4枚の出現が同時に認識しやすくなったように感じられます。加えて難易度が少し下がっているのが嬉しいところ(それでも私にとってはメチャクチャ難しいですけど…)。

⑤Air Coin Cut

見えないコイン(?)で観客が選んだカードを探し出します。

作者本人も「全編通してアホな手品」と言っているように、現象をまともに説明しようとすればするほど聞いている方は訳が分からなくなるという奇妙な作品です。技術的には特に難しいところはないのですが、セリフとやっていることが真逆なので演者自身が混乱しないように練習しておくことが大事です。ある意味演じるのが難しい作品ですが一部にはバカウケするらしいので見せる相手を間違えないよう見極めてから演じましょう。

⑥Kick Force

テーブルにスプレッドしたカードの中からどれか1枚を観客に指差してもらいますが、それがフォース・カードです。ウケます。

⑦Minimum Coin Box

フタをした空のコインボックスに4枚のコインが次々と飛び込みます。今度はコインボックスに4枚のコインを入れてフタをし、コインを抜き取るおまじないをするといつの間にか4枚のコインが手の中に現れ、コインボックスの中は空になっています。

これはお見事。怪しい動作がほとんど無いまま4枚のコインがコインボックスの中へ入ったり出たりします。とはいえ最初のV.T.P.がやはり難しいですね…堀木さんくらい使いこなせていないと、かなり怪しく見えてしまいそうです。しかし1段目の最初のコインの消失は非常にフェアで鮮やか。この方法だけでもかなり勉強になりました。2段目は音を使ったサトルティが悪魔的に秀逸。結局すべてがとても考え抜かれた手順になっており、この作品集の中で最も気に入った作品です。

⑧Floating Production

1枚のカードの下から4枚のコインが次々と出現します。

ここからは一連のルーティンが段階ごとに解説されていきます。1枚のカードを使ったシンプルなコイン・プロダクションですが、カードからコインが生まれたかのように見せる工夫が詳しく解説されています。見た目の印象がかなり変わるので、やはり角度って大事だなぁとあらためて思いました。

⑨Before Matrix

コインをカードで掬い取って左手に握るとコインが消えます。その後も1枚ずつ消えていきますが突然四角形の四隅に配置されて出現します。

コインが消えていくところは難しいですし大変です。淀みなく演じるには相当の練習が必要です。あ、でも「乾燥肌用の技法」は歳とった今の私ならできるかも…。

⑩After “Before Matrix”

四角形に配置された4枚のコインが一瞬で1枚のカードの下に集まります。

『2020』用に追加された手順とのことです。Before Matrixで気を抜いたところに一気に殴り掛かってくる衝撃のクライマックスです。これをやられたら観客はひとたまりもありませんね。

⑪ツチノコ

ボーナス・エフェクトです。可愛い…ただただカワイイ…熊本コンベンションの後に速攻で買っちゃいましたよ私は。

 

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