The Magic No.71（ザ・マジック）
書誌情報
発行 デアゴスティーニ・ジャパン
監修 マジシャン・メイガス
発行日 2021/11/30
定価 1,823円（税込）
【セット内容】
冊子（オールカラー12ページ）
DVD（約18分）
お化けハンカチーフ
お化けハンカチーフ（Ghost Handkerchief）
演者は魔方陣が描かれたハンカチをテーブルに広げて四隅を畳み、目に見えない精霊を捕まえてハンカチの中に閉じ込めます。閉じ込められた精霊はハンカチの中で動き回り逃げ出そうとします。最後にハンカチを広げますがそこには何もありません。
原案は1963年にビル・マッデン（Bill Madden）とバーニー・トゥルーブラッド（Bernie Trueblood）の２人ではじめたMadblood Creations社で制作販売された「Glorpy, The Gerkulating Ghost」です。グローピーとは、この作品の演出で登場する幽霊の名前です。「グローピー」は1962年に販売されたジョージ・ブレイク（George Blake）の「Haunted Hanky」をアレンジしたもので、さらに遡るとディク・ヴァン・ブラマー（Dik Van Brummer）の「The Solid Ghost（通称「It」）」（『The Gen 』（November 1957, Vol. 13 No. 7））に行き着きます。何も入っていない筈のハンカチが生き物のように動くアニメーション現象はとても強烈且つ効果的で人気のあるマジックです。テンヨーでも下村知行氏考案の「ゴーストハウス」や「インビジブルゴースト」、小宮賢一氏の優れたオリジナル手順「ゴーストシルク」が発売されました。この作品はマジックのテクニックというよりもパントマイムに近いテクニックを必要としますので、鏡やビデオカメラの前で充分に練習することをオススメします。とはいえ、目立つ何かを隠すなどの特別な緊張感があるわけではないので、練習は楽しいものになると思います。
リング・オン・スティック（Ring on Stick）
演者は観客から指輪を借りてハンカチで包みます。観客に魔法のウォンドの両端を持ってもらい、ハンカチを近付けて振ると、一瞬で指輪がウォンドの真ん中に通っています。
リング・オン・ワンド（Ring on Wand）とも呼ばれる古典プロットです。原点と思われるのは1584年にフランスのジャン・プレヴォ（Jean Prévost）が書き記した『La Premiere Partie des subtiles et plaisantes inventions』に解説されている「Faire passer un anneau d’un mouchoir dans un baton」ですが、よく演じられるようになったのはプロフェッサー・ホフマン（Professor Hoffman）の『Modern Magic』が発行された1876年頃から始まり、ネイト・ライプツィヒ（Nate Leipzig）やダイ・バーノン（Die Vernon）など多くのマジシャンが独自の手順を開発するようになってからです。観客から借りた指輪を使ったり、ワンドの両端を持ってもらうといった不可能性の高さや距離感の近さが現象効果を高めることから、現在でも渋めのマジックを好むマジシャンに人気のある作品です。
卵の取り寄せ（Egg Production）
演者はハンカチを広げ、よくあらためてから袋を作り、空中から何かを掴み取ってハンカチの中に入れます。するとハンカチの中から卵がコロンと出てきます。同じことを繰り返すと卵は何個も出現します。出てきた卵を入れたボウルから１個取り出してグラスに割ってみせるとたしかに本物です。さらに残りの卵におまじないをかけるとボウルの中で紙吹雪に変化します。
卵が無限に出現する原理自体は古くからステージ・マジックで使われており、当時はシルクハットと板を使ってウサギなど大きめの動物を出現させていました。ここでは卵を出現させるだけでなく最後に紙吹雪に変化させるという一連の手順として解説されています。
WELCOME TO MAGIC WORLD
手妻師、藤山新太郎氏の紹介。
付属マジックアイテム
お化けハンカチーフ：魔方陣が描かれた秘密の仕掛けを施したハンカチ。
