The Magic No.53（ザ・マジック）
書誌情報
発行 デアゴスティーニ・ジャパン
監修 マジシャン・メイガス
発行日 2021/3/23
定価 1,823円（税込）
【セット内容】
冊子（オールカラー12ページ）
DVD（約18分）
魔法の絵本
基本テクニック講座
カードの扱い方㉘
カードの1枚出し①：空中からカードを１枚ずつ出現させたように見せる技法。
カードの1枚出し②：①よりもスピーディーに連続でおこなう技法。
魔法の絵本（Magic Coloring Book）
マジシャンは絵本を取り出し、ページをパラパラとめくって見せますが、すべてのページが真っ白で何も描かれていません。本を閉じておまじないをかけると黒いインクで描かれた絵と文字が現れます。さらにおまじないをかけると今度は絵に鮮やかな色までが塗られています。
カラーリング・ブック（魔法の塗り絵）は、古くからフリップ・ブック、フリック・ブック、ブロー・ブックなどとも呼ばれており、16世紀頃から主に子供向けのマジック道具として人気がありました。考案者ははっきりとは分かりませんが、その原理はイタリアの医師であり数学者でもあるジェロニモ・カルダノ（Geronimo Cardano）が1550年に著書『De Subtilitate』で紹介しており、その後1584年に『The Discoverie of Witchcraft（妖術の開示）』でも解説されています。日本国内ではテンヨーの「マジックブック」シリーズが現在でも人気のある商品です。これは１回のみの変化現象ですが、リンク先ページの「ちょっといい話」コーナーにマジックブックを使ったアイデア（相手にやってもらう方法やディーラー清水さんのアレンジ）が書かれているので是非読んでみてください。デアゴスティーニのオリジナル・カラーリング・ブックは、ルイス・キャロルの世界的に有名な童話『不思議の国のアリス』で作られています。マジックの題材として使いやすい誰もが知っている物語ですし、文章は英語でジョン・テニエルの魅力的な挿絵もそのままです。本のサイズもクロースアップで使いやすいA５サイズです。
アウト・オブ・ディス・ワールド（Out of This World）
観客にデックを持ってもらい、カードを１枚裏向きのまま手に取り、そのカードのマークが赤か黒かを推測しながら２組に分けてテーブルに並べていってもらいます。すべてのカードを選別し終わってからカードを表向きにすると、観客が見ていなかったにも関わらず赤と黒は完璧に分けられています。
考案者はアメリカのアマチュア・マジシャンであるポール・カリー（Paul Curry）です。1942年にタネン・マジックショップから小冊子形式で１ドルの値段で発売されました。第二次世界大戦中、当時のイギリス首相であったウィンストン・チャーチルが、このカードマジックに驚嘆したという逸話があり、その場で演じて見せたハリー・グリーン（Harry Green）が後にポールへ送った手紙で「６回も繰り返し演じさせられた。」と書いています。誕生のきっかけは、ある日オードリー・ウォルシュ（Audley Walsh）がウォルター・ギブソン（Walter Gibson）の「Pay Off（ペイオフ）」という作品をポールとジョン・スカーニ（John Scarne）に演じて見せたことです。２人はバリエーションを考え始め、ジョンは高度なスライトを駆使した方法を考え、ポールはノー・スライトの方向性でこの作品を考えました。世界中のマジシャンからカード・マジックの傑作と称賛される作品ですが、当の本人はそれほどとは思っていなかったようで、その後フレッド・ブラウェ（Fred Braue）に送った手紙に「15分くらいで思いついたものなので大したトリックとは思っていなかったが、いつも手厳しい意見を言う妻があまりにも驚くので、ひょっとしたら良いトリックなのかもしれないと思い始めた。ただ、何故マジシャンをこれほど驚かせるのか私はいまだによく分かっていない。」と困惑している様子が書かれています。その後、準備無しの即席でコンパクトに演じられるグラント（U.F. Grant）のバリエーションなど多くの改案が作られました。
WELCOME TO MAGIC WORLD
手品アーキビスト岡村真衣（Mai Okamura）さんと彼女が店長を務める手品とお酒が楽しめるお店「マジック妖（AYAKASHI）」の紹介。
付属マジックアイテム
魔法の絵本：秘密の仕掛けが施された絵本。
