トリックの心理学
書誌情報
著者 高木重朗
初版 昭和61年8月20日
発行 講談社
定価 520円(241ページ)
序章 遊びとしてのマジック
トゥール・ダルジャンのだまし絵(マジックにおいて重要な心掛け。)
つり銭詐欺(巧妙な心理的トリックの手順。)
二つの孔、ひっかかったらあなたの勝ち(ロープを使ったバー・ベット。)
色が入れ換わる(2色の紐の輪を使ったパズル。)
これは不思議!ハイパー・カード(簡単に作れる不可能物体パズル。)
1章 出現
カップから玉が
ミスディレクション
相手の注意を引く方法
コインを生むハンカチ(「ハンキー・パンキー」の解説。)
ハンカチを使う利点(つい、忘れ去られがちなこと。)
「海外旅行無料招待」にだまされるな
音も肝心
週刊誌から紙幣が出現(週刊誌のページを破いて丸めると中から紙幣が出現する手順。)
増田さんのそばの秘密(素敵なコラムです。)
超能力かマジックか?
血のすじの出現-時間差のトリック
増加するコイン-外見を利用したトリック
全体を観察するのはむずかしい
出現のマジックの原理
エースとキングの出現(シンプルかつ効果的な初心者向けカード・マジック。)
相手に自由だと思わせる
2章 消失
オーディナリー・パームの心理作戦
なによりも「自然な動作」
フィンガー・パームとサム・パーム
けっして固く握らない
相手のどこを見たらよいか
電話ボックスから容疑者が消えた!?(クレイトン・ローソンの「天外消失」トリック紹介。)
マーリニの謎解き
紙玉の消失-視野を利用したトリック(スライディーニの傑作トリックを考察。)
紙包みの中のコインの消失(1)自然な動作の利用
紙包みの中のコインの消失(2)別法
象の消失-錯覚の利用(フーディニによる「象の消失」の解説。)
「ダイヤは高い」という既成観念
大きな物を消すのは効果的
結び目の消失(1)理論上当然なことを不思議に見せるトリック(「シェファローの結び目」の解説。)
結び目の消失(2)話術で不思議に見せる(「マジック・シューレース(ちょうちょ結び目の消失)」の解説。)
消える線-現象に注意を集めて行うトリック
幽霊が消える(「消える線」の原理を利用したマジック。)
ナポレオンも熱中したタングラム
消えた時計(ジョン・マルホランド氏の夫人が披露したマジックのエピソード。)
周到な用意をして、なにげなく演じる(マックス・マリニーやトニー・スライディーニのエピソード。マジシャンにとって大事な考え方。)
消えるコイン-目の錯覚(逆転の発想。)
3章 復活
美女切断!
紀元前三七〇〇年の「首斬り」マジック(古代エジプトの文献ウエストカー・パピルスに記録されているガチョウの首斬りマジック。)
「美女切断」法いろいろ(上手な種明かしは、明かした秘密を上回る不思議を見せること。)
ほんとうの秘密はまだある!
マジックの用具における心理的トリック
戦前のマジシャンは得意芸を持っていた(多くのプロ・マジシャンはある程度得意な芸を持ち、昔のマジシャンよりレパートリーは多く、演技も上手いことは確かである。しかし、看板になるほどの極めつけの芸が少なくなっているのは淋しいことである。)
<失敗>の不思議(「破いた紙の復活」サカートリックの強烈な効果。)
高木流「すり換え」法
アダチ流&木村流演出法
オチの余韻
サカー・トリックの傑作(「シルク・トゥ・エッグ」の紹介。)
ロープを切って元どおりにする(1)(「8の字切り」の解説。)
ロープを切って元どおりにする(2)(「3つ切り」の解説。)
4章 貫通・脱出
手を通り抜けるカード?(「サブマリン・カード」「トラップ・ドアー」の解説。)
原理を知ればなんのその
ロープ抜け(1)(脱出マジック研究家のバイブルの紹介。)
ロープ抜け(2)(仕掛け無し、準備無しでできる手首を縛ったロープ抜けの傑作を解説。)
脱出王フーディニの「手錠抜け」
タネは簡単、問題は演出力
観客心理をいかにうまくコントロールするか
はずれるストロー(絡めた2本のストローが外れるトリックの解説。)
はずれる安全ピン(ハンカチに止めた安全ピンがすり抜けるトリックの解説。抜く時の工夫が素晴らしい。)
二本のロープからの脱出(著者が中学生の頃師事していた松旭斎たこ松とのエピソード。)
日本でも古来から
鉛筆抜き(手軽な脱出パズルの紹介。)
ヒモに通る輪(「リング・イン・ロープ」の解説。貫通マジックの傑作。)
コインの孔を通るボール(金属製ボール貫通マジックの解説。)
公明正大、実は証拠隠滅(あらためる為の行為が証拠隠滅になる。)
つながるクリップ(紙幣とクリップを使ったマジックの解説。)
通り抜ける線(手の甲に書いた線が手の平に通り抜けるマジックの解説。)
5章 超能力
五枚のカードで超能力
「メンタル・フォース」の心理的効果(ダイ・バーノンの「メンタル・フォース」の解説。)
はずれた場合はどうするか
心理的フォースをセールスに応用
タイミングを逃がすな
カード当て(1)(キーカードを用いた相手の脈拍でカードを当てる方法の解説。)
カード当て(2)(前述キーカードの応用。)
映画「マジック」のカード当て(リチャード・アッテンボロー監督の「マジック」という映画でのカード当て演出。)
「きみの心が読みたい…」
必ずはじめに失敗してみせること!
炎の読心術(「センター・テア」の解説。)
心に強く思わせ、注意をそらす(メンタル・マジックにおける大事なこと。)
色の予言(マルチプル・アウトの原理。)
予言の手紙
予言師・予想屋にご用心
7を選ぶ
「あいまいさ」を利用する
確率ゼロ(ポール・カリーの傑作メンタル・マジックの解説。)
アウト・オブ・ジスワールド(ハリー・ローレインの準備を必要としない改案。)