The Magic No.50(ザ・マジック)
書誌情報
発行 デアゴスティーニ・ジャパン
監修 マジシャン・メイガス
発行日 2021/2/9
定価 1,657円+税
【セット内容】
冊子(オールカラー12ページ)
DVD(約12分)
カップ&ボール
カップ1個とボール1個の手順(One Cup, One Ball)
左手に握ったボールが消えてテーブルに伏せて置いたカップの中から出てきます。もう一度繰り返しますが、やはりボールが消えていつの間にかカップの中に移動しています。
カップ&ボールはギリシャ時代に大道芸で盛んに演じられており、クロースアップでは最古のマジックだと言われています。カップ&ボールの最も古い記録はローマの哲学者で政治家でもあったセネカ(Seneca)が西暦50年頃に書き残したもので、大道芸人がカップと小石を用いて不思議な技を観客に見せている様子が描かれています。インドや中国でも演じられており、中国では「三星帰洞(サンシングイトン)」や「紅豆想思(ホンドウシャンスウ)」と呼ばれ、カップではなくお椀が使われていました。日本には中国から仏教とともに伝来し、手妻の「しな玉」として現代も手順が受け継がれています。カップ&ボールの手順の秘密が最初に公開された本はレジナルド・スコット(Reginald Scot)が書いた『妖術の開示(The Discoverie of Witchcraft)』(1584年)です。古くからカップ&ボールが奇術演目の中心に位置していた根拠として、当時のギリシャではマジシャンのことを「カルキュラリウス(calcularius)=小石使い」、あるいは「アケタブラリウス(acetabularius)=ぶどう酒の杯の使い手」読んでいたことからも杯と小石を使ってカップ&ボールを演じていたことが分かります。少なくとも数千年もの間、これほど世界中で演じ続けられているマジックはまず無いのではないでしょうか。
カップ&ボールは3個のカップを使うのが古くからの主流でしたが、大道芸よりもマジックとしての要素が強くなるにつれ2個あるいは1個のカップを使ったシンプルな手順も演じられるようになります。ここではまずカップ1個とボール1個、そしてウォンドを1本使った最も基本となる正しい動きが学べます。道具を持ち替える時などの隠された意味も丁寧に解説されていますので勉強になります。付属のカップは金属製ではなくテンヨー製の軽量カップです。テンヨー商品の「マジックワールド」のセットに入っているカップと同じだと思います。この商品の解説冊子にはカップを使った他の面白いマジックも紹介されていますので興味のある人は是非。
転がるタバコ(The Cigarette Rolling Trick)
タバコを1本取り出し、よく調べてもらいます。タバコをテーブルに置き、手を頬に擦りつけてから念を送ると触れてもいないのにタバコが動き出します。
考案者不明。霊媒師達の間で古くから使われていたスピリチュアル系トリックではないかと勝手に推測しています。
マガジンテスト(Magazine Test)
2冊ある雑誌の内どちらかを選んでもらいます。観客が自由にページ数を決めて、そのページを開きます。演者は観客の心の中を読み取り、今開いているページに何が書かれているか見事に当ててしまいます。
ブックテストのプロットを考案したのはウィーンのヨハン・ネポマック・ホフツィンザー(Johann Nepomuk Hofzinser)と言われています。この作品はアメリカのセオドール・アンネマン(Theodore Annemann)が考案した「助手のいらないブックテスト」の簡略化バージョンです。
HISTORY OF MAGIC
近代奇術の父 ジャン・ウジェーヌ・ロベール=ウーダン③
(Father of Modern Magic : Jean Eugene Robert-Houdin)
ロベール・ウーダンの有名な逸話が詳しく紹介されています。
WELCOME TO MAGIC WORLD
“船上の奇術師”飛鳥Ⅱ専属マジシャン渡邊卓也(Magician TAKUYA)氏の紹介。
付属マジックアイテム
カップ&ボール:軽量で扱いやすいマジック専用シルバーカップ1個と、赤色ボール1個と予備ボール1個のセット。