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The Magic No.64(ザ・マジック)

2022-09-26The Magic(デアゴスティーニ),和書,国内マジック道具,国内映像,映像,,道具カード,クロースアップ,バー・ベット,パケット・トリック,パズル,日用品・その他

書誌情報

発行 デアゴスティーニ・ジャパン
監修 マジシャン・メイガス
発行日 2021/8/24
定価 1,823円(税込)

【セット内容】
冊子(オールカラー12ページ)
DVD(約15分)
エリスのリング

エリスのリング(Ellis Ring)

演者は金属製のリングを見せて、観客に片手の親指を立ててもらうようお願いします。観客の親指にリングをはめて、その上からハンカチをかけます。演者は一度リングを抜き取って手の中に握り、おまじないをかけるといつの間にかリングが消えて再び観客の親指に戻ってしまいます。

考案者はスコットランドのマジシャン、ジャーディン・エリス(Jardine Ellis)です。マジシャンとしての芸名はダンカン・ローン・キャンベル(Duncan Lorne Campbell)ですが、このリングの名前は本名のエリスから名付けられました。この作品は、1921年3月21日にロンドンのグランド・セアンスというマジック・サークルで初めて演じられました。そしてエリスが亡くなった後、ジョージ・ジョンソン(George Johnson)が書いた『A Few Jardine Ellis Secrets』(1925年)によって秘密が公開されましたが、当時はあまり注目されませんでした。その後、バートラム・ミリッジ(Bertram Millidge)が雑誌『Magic Wand』(1938年10月号)で再び取り上げ、この道具の巧妙さと観客が体感できる現象の素晴らしさが見直されることとなります。デアゴスティーニ付属の道具はとても良い出来だと思います。手順も重要なポイントが丁寧に解説されていて失敗しにくくなっています。

3つのカップのパズル(Bottoms Up)

演者は「カップを使った簡単なパズルをお見せします。」と言い、3個のカップの上下を互い違いに並べて両手で同時に2個のカップをひっくり返していき、最終的にカップの口をすべて上向きにしてみせます。その後、観客も挑戦してみますがどうしてもできません。

かなり古くからあるトリックで、残念ながら考案者は分かりませんでしたが「アクロバティック・グラス」や単純に「グラス・パズル」などなど解説書の数だけ名前があるのではないかと思ってしまうほどの「有名だけど無名な作品」です。いわゆるバー・ベットやコン・ゲームと呼ばれる必勝法が存在するイカサマ・ゲームのひとつなのですが、悪用すると痛い目に遭うかもしれないのでやめましょう。また、この手のトリックは観客を挑戦的にさせやすいのでシチュエーションや演じ方に注意が必要です。

ルーン
ルーン
パズルやクイズと割り切って最後にやり方を説明して終わるのも有りですが、そこから更に「出来ない筈の配置パターン」からでもやってみせるマーティン・ガードナー(Martin Gardner)のバリエーションに繋げる方法もあり、私はそれをよく使っています。

リセット(Reset)

演者は4枚のエースと4枚のキングのカードをよく見せます。4枚のキングはテーブルに置いておき、手に持っている4枚のエースを魔法で1枚ずつキングに変化させていきます。4枚のエースが全てキングと入れ替わったところでテーブルに置いたカードを確認すると、こちらもキングのままです。すぐに演者が手に持っているカードを確認すると、先ほどキングに変化した筈のカードはエースに戻っています。

考案者はポール・ハリス(Paul Harris)、1977年に発行された『SUPER MAGIC』の中で解説されたパケット・トリックで、ブラザー・ジョン・ハマン(Brother John Hamman)の「Underground Transposition」という作品の改案です。最大の特徴はレギュラーカード8枚のみで演じられるということでしょう。その割にハンドリングがそれほど複雑ではなく、フォールス・カウントの使用も1回のみと負担が最小限に抑えられています。

ルーン
ルーン
原案は4枚のエースと4枚のジャックを使用していますが、デアゴスティーニでは最近の主流に合わせてジャックではなくキングを使用しています。ハンドリングは基本的に原案を踏襲していますが、細かい部分がいくつか変更されています。原案よりも変化のビジュアルさや全体の流れのスムーズさ、不自然さの低減を重視したアレンジとなっており、原案との違いが気になる方は確認してみることをお勧めします。

付属マジックアイテム
エリスのリング:秘密の仕掛けが施されている金属製のリング。

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