広告

POEM(ポエム)

和書,日本語ノート,クロースアップ,メンタル,日用品・その他

谷英樹

書誌情報

PDFダウンロード版 マジック・マーケット2020価格 500円

Prediction in Ordinary Envelope Methodの頭文字をとってPOEM(ポエム)と名付けられたこの作品は、何ら特殊な仕掛け(工作)を施していない封筒に3通りの予言を仕込むことができる方法を解説した商品です。私は道具が付属していないダウンロード版を購入したので自作しなくてはいけませんでしたが、使用するポチ袋は100均ショップで手に入りますし、特に難しい工作作業は必要ないので、自作が苦手な人でも素材を集めるだけで演じられます。

まずは基本原理ですが、無駄がなくとても賢い解決法だと思います。どのあたりが無駄がなく賢いのかを具体的に書くとネタバレになってしまうので書けませんが、3種類の予言の示し方は、封筒の扱いやセリフや動作など観客にとってはどれも同じようにしか見えませんし、実際のところ殆ど同じです。封筒が1枚だけであればそこを気にする必要はありませんが『三色予言』のように封筒を3枚も使う場合は予言の示し方が非常に重要になってきて、どれも同じように扱っているように見えなければいけません。POEMはこの点が上手くクリアできています。封筒を観客に手渡すことはできませんが、予言の示し方がとてもフェアなので、その動作自体があらために近い印象を観客に与えています。この原理を使ったマジックが2つ解説されています。

『ワンデックを使ったPOEM』

演者は「予言」と書かれた封筒を取り出し、テーブルに置いておきます。更にデックを1組取り出し、絵札と字札に分け、使いたい方を選んでもらいます。それぞれの山で自由にマークと数を選んでもらい、決定したカードを抜き出します。封筒から予言を取り出すと、なんとそのカードの名前が書かれているのです。

1枚のカードを決めるのに、やや手続きが長い気もしますが、最後の選択と予言の示し方がとてもフェアなのでかなり不思議です。このようなよくある予言トリックでも効果的に使えますよという参考例ですね。カードの選び方もエキボックだけでなく面白い方法が使われています。

『三色予言』

3色の予言封筒を示し、慎重にどれかひとつを自由に選んでもらいます。その封筒を開けると選ばれた色が予言されていますが、少し考えるとあまり不思議ではないことが分かります。てっきり冗談かと思われますが残りの封筒の予言を見ると、これ以上ないくらいすべてが完璧に予言されています。

マーチン・ルイス氏の『テクニカラー・プリディクション』に似て非なる現象を仕掛けの無い市販のポチ袋で実現できるようにしたとのことで、POEMの真骨頂と言っても良い作品です。これは不思議でオチもしっかりしていて良いマジックだと思います。封筒3枚だけで演じられるというのも素晴らしい。解説では赤・青・緑の文字をそれぞれの色で示していましたが、私は子供に見せることも多いのでまずはシンプルな図形で自作してみました。

もちろん図形ではなく何か意味のあるイラストなどでも良いでしょう。原理は同じなので応用は簡単です。人によっていろいろと演出のし甲斐がある素材だと思います。 とにかく基本原理が素晴らしいのでオススメです。今後メンタル・マジックのスタンダードな予言解決法のひとつとして残りそうな予感がする名作です。

広告