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The Magic No.07(ザ・マジック)

2022-09-26The Magic(デアゴスティーニ),和書,国内マジック道具,国内映像,技法,映像,,道具カード,クロースアップ,コイン,パケット・トリック,メンタル

書誌情報

発行 デアゴスティーニ・ジャパン
監修 マジシャン・メイガス
発行日 2019/5/20
定価 1,657円+税

【セット内容】
冊子(オールカラー12ページ)
DVD(約47分)
ワイルド・カード

基本テクニック講座
今号から技法の難易度がややレベルアップしてきた印象です。
カードの扱い方⑦
ハーマン・カウント:代表的なフォールス・カウントのひとつ。パケット全体を同じテンポでスムーズにカウントしようとすると、かなり難易度の高い技法ですが、ワイルド・カードではポイントとなる枚数目でカウントを止めて説明する理由がありますので、その分難易度はかなり下がっています。
ダブル・リフト(ダブル・ターンオーバー)②:前号で解説された縦方向ではなく横方向にカードを表返すことでより自然に見える技法です。

コインの扱い方⑤
リテンション・バニッシュ:フェイクパスの中でも非常に難しい部類に入る技法で、この段階では早過ぎるような気もしますが、今号の作品では使っていないので今のうちに練習して少しでも上手くなっておいてください。ということなのでしょう。

Wild Card(ワイルド・カード)

9枚のカードの中で1枚だけ違うカードがあります。そのカードで他のカードを擦ると次々とカードが変化し、最後はすべて同じカードになってしまいます。

考案者はイギリスのピーター・ケーン(Peter Kane)で、ジーン・ヒュガード(Jean Hugard)の『Magic Monthly1962年4月号』に「Watch The Ace」という名で発表されました。翌年それをフランク・ガルシア(Frank Garcia)が「Wild Card」の名でニューヨークのタネンの店から売り出し、その見た目にも分かりやすく強烈な現象効果から世界中で爆発的なヒット商品となり改案作品も多く生まれました。ここでは、この作品で有名になった技法「ワイルド・ターンオーバー・ムーブ」は使用しません。これはとても効果的な技法ですが理論的に考えると矛盾のあるイロジカル・ムーブなので、観客に悟られぬよう堂々とスムーズに演じる必要があります。その為、まだ初心者には難しいと判断されたのでしょう。その分ノーマル・バリエーションはかなりストレスの少ない手順になっています。ただ実際に演じるなら不思議さのより強いロング・バリエーションの方でしょう。まずノーマルで練習して慣れてきたらロングに移行すると良いと思います。そして最後にカードを検める方法は、比較的簡単な割りにとても不思議に見えるので初心者にも上級者にもオススメです。ワイルド・カードは練習していて楽しい作品ですのでメキメキ上達する喜びを得られると思います♪

Dr.Daley’s Last Trick(Dr.デイリーのラストトリック)

4枚のAを取り出し、2枚の黒いAをテーブルに置き、どちらがスペードのAか観客に尋ねます。テーブル上のカードを表返すと2枚の赤いAになっており、マジシャンが持っている2枚がいつのまにか黒いAになっています。

考案者は「一応」Dr. Jacob Daleyとなっています。外科医を本業とするアマチュア・マジシャンですが、多くの傑作を残した偉大な研究家です。和書では名前のカタカナ表記が本によってダレイだったりデイリーだったりするので昔は別人だと勘違いしてかなり混乱したものです。ロシア出身なのでジャコブ・デイリーが近いのではないかと思いますが、ニューヨークでカーディシャンとして活躍していたのでジェイコブ・デイリーが一般的な読み方なのでしょうね多分。最初に一応と書いたのはデイリーがカードマジック研究家の集まりで、この作品を解説する以前から既に同じような作品がいくつも発表されているからです。おそらくそのテーマを得たデイリーが自分なりに考えたバリエーションを発表したのでしょう。デイリーはこの集まりの数日後に急逝します。集まりに参加していたダイ・バーノン(Dai Vernon)は通称『バーノン・ブック(The Dai Vernon Book of Magic)』と呼ばれる本に、この時の手順を「The Last Trick of Dr. Jacob Daley」というタイトルで発表しました。もっと詳しく知りたい方は石田隆信さんのコラムを参照してください(他力本願)。ちなみにデアゴスティーニで解説されている手順はデイリーの手順とは異なり、難易度を下げつつもカードのすり替え効果を高める手順となっています。

ルーン
ルーン
個人的にはスペードのAを見せた後、左手のカードの上に一旦裏向きで重ねてから、右手で「こちらがクラブのAで…」とテーブルのカードを指差して左手のトップカードを右手で取りテーブルのカードの上に重ねながら「これがスペードのA。」と言った方が自然に見えるような気がします。

Psychothesia(9つの紙片)

1枚の用紙を破いて9枚の紙片を作り、マジシャンが見ていない間に観客に好きな動物を思い浮かべて紙片に書いてもらいます。他の紙片にはそれ以外の適当な動物の名前を書いてもらい、裏向きでよく混ぜ、すべての紙片を四つ折りにして更によく混ぜます。マジシャンは当たりの紙片がどれか当てるだけでなく書かれている動物の名前まで観客の心を読み取って当ててしまいます。

「生者と死者のテスト(Living and Dead Test)」と呼ばれるメンタル・マジックで、元々は霊媒師や占い師がサイキック・デモンストレーションとして使っていた方法のひとつです。シンプルな現象ですがインパクトは強烈で、テストを受けた人の衝撃は見せたこちらが驚くほどです。

WELCOME TO MAGIC WORLD
世界最大のマジック団体「インターナショナル・マジシャンズ・ソサイティ(International Magician’s Society=IMS)」がマジック界のアカデミー賞とも呼ばれる『THE MERLIN AWARD 2018』をメイガス氏に授与した記事。

付属マジックアイテム
ワイルド・カード:レギュラーカード5枚とDFカード4枚のパケットセット。

ルーン
ルーン
ワイルド・カードのセットを揃えようとすると、かなり手間とお金がかかったりしますので今のうちに予備も購入しておいた方が良いかも。

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